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獣医循環器認定医のなりかた|就職先選びに対する注意点を解説


診察を受ける子犬

日本には獣医循環器に特化した専門診療を行う獣医循環器認定医という資格があります。 獣医循環器認定医をこれから目指したいといった獣医師の方もいると思います。 そこで今回は

「獣医循環器認定医を目指しているがやるべきことがわからない」

「獣医循環器認定医になりたいが、どんな病院に就職すればいいかわからない」

「獣医循環器認定医になるメリットは?」

といった疑問をもつ獣医師に向けて、獣医循環器認定医取得のための病院選びをお話しします。 ぜひ最後までお読みいただき、就職先選びにお役立てください。


獣医循環器認定医とは

動物の循環器疾患に対する高度な専門知識や技術を備えた国際基準の獣医師を目指して、循環器認定医が誕生しました。 日本の動物循環器学の向上・発展を目指したものになります。 現在獣医循環器認定医は、日本に百数十人しかおらず、循環器の難治症例患者にとって大変希少な存在です。

また、獣医循環器認定医よりさらに上の立場である獣医循環器上席認定医も発足されました。 獣医循環器上席認定医は、動物循環器学の各分野で指導的役割を果たし、後進の育成が十分に可能であると評価される認定医のことをいいます。


獣医循環器認定医の受験資格および認定医試験


学会で質問をする獣医師

受験資格

受験資格には

  • 臨床獣医師は一般臨床経験5年以上

  • 循環器に関する臨床や研究に修練を積んでいること

  • 日本獣医循環器学会会員歴が継続して5年以上で、この間会費を完納している者

  • 動物循環器学のカリキュラムを履修していること

が必要です。 循環器に関する臨床や研究の修練とは動物の循環器に関する論文発表、学会発表や参加、講習会の発表や参加が挙げられます。 配点がそれぞれ異なりますが、その合計点を過去10年で80点以上取ることが必要です。 また動物循環器学のカリキュラムとは認定医講習会のことです。 2年間で34講座が開催されます。認定医講習会は現在対面で行われており(2024年8月現在)、オンラインでいつでもどこでも受講できるわけではありません。 受講のために休暇が必要となりそうです。


認定試験での書類審査

書類審査には

  • 資格審査のための自己評定票

  • 主治医として診断・治療した循環器症例30例の一覧表

  • 上記循環器症例30例中10例の症例病歴要約レポート

  • 動物循環器学のカリキュラム履修

が挙げられます。

症例病歴要約レポートは

  • 先天性心疾患または心筋症の中から2例以上

  • 不整脈例を1例以上

  • その他後天性心疾患を含むこと

が必要です。

レポートは所定の様式で、診断、治療について、

1症例につき1,200字以内にまとめる必要があります。


認定医の合否は認定審査委員会で公正に審査され合否が決まります。


獣医循環器認定医を目指すための就職先選び

獣医循環器認定医になるためには

  • 先天性心疾患など稀な症例のレポートが必要

  • 論文作成や学会発表、症例検討会への参加や発表

  • 試験に挑むにあたって高度な知識や技術を身につける必要

など越えるべきハードルがいくつかあります。 これらのハードルを超えられるような病院選択が重要となります。 獣医循環器認定医がいる病院や循環器診療件数が多く、循環器の難治症例に強い個人病院や総合病院、大学附属動物病院で勤務する必要性があるでしょう。

循環器疾患を正しく診断したり、論文発表を行う上で指導者なしでは難しいです。

指導の体制が整っているか、自分がその病院で頑張れそうかしっかり考慮した方が良いですね。

また個人病院では心臓病の診断に必要な設備が揃っているかどうかも確認した方が良いかもしれません。

2年間で34講座ある認定講習会の全受講が受験資格になっています。講座受講のための休暇をもらえるかどうかも就職を決める際は確認しましょう。


メリット

獣医循環器認定医を取得するメリットには

  • 自分の専門領域に集中できるため、さらなるスキルアップが見込める

  • 難治症例で困っているご家族や犬や猫に対して貢献できる

  • 転職する際にアピールポイントになる

  • 他の病院へ専門診療で呼んでもらえることがある

  • 専門書などの執筆依頼がもらえることがある

などが挙げられます。

循環器診療に対して努力して勉強した分、困っている患者さんに貢献できることは、大きな達成感ややりがいにつながるはずです。


まとめ


ハスキー犬を診察する獣医師

獣医循環器認定医になるには循環器診療に対する高度な知識や技術の習得が不可欠です。そのため、就職先選びがとても重要になります。

当院では循環器診療に力をいれており、資格取得をできる限りバックアップします。 資格取得に時間はかかりますが、当院で共に頑張りましょう。


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